我が魂、そうそうで放たれる。
「ねぇどうしてあなたはいつもそうなの?肝心なところで...だからダメなのよ。」
「そんな事言ったってしょうがないじゃないか」
「努力してるの?やる気あるの?なんとかいいなさいよ」
「そんな事言ったってしょうがないじゃないか」
「うるさい、口答えしないで。」
「......」
「なんなのよ。いったい。私は意見を求めてるの。言い訳なんて求めてないわ。言い訳が出る時点で、あなたが悪いって認めているようなもんじゃない、悔しかったら具体的に言い返してみなさいよ。」
「......」
「もう、私ばっかり話して、なんか私が怒ってるみたいじゃない」
「(いや、怒っているんだよ)」
いったいいつからこうなったのか、始まりはもっともっと愛に溢れていて、お互い名前も知らないのに、惹かれあっていたではないか。
確かにお酒が入っていたから、多少なりとも浮足だっていたかもしれない。この偶然の出会いに少なからずロマンスを求めて、運命を感じていたのかもしれない。
ただ横に座って、新しい出会いにワクワクして、お酒を飲んでいた頃はとっても楽しかった。いつのまにかいつのまにかで、going to bed の最中も笑いあっていた。
そんなに悪い事なのか。
そんなにダメな事なのか。
一番驚いているのは自分なんだ。
何が起きたか、早すぎて自分でも理解できていない。
原因は俺か?俺なのか?
あなたが原因ではないのか?(褒め言葉)
ともかく、
俺は今モーレツに不甲斐ない気分だ。
モーモーとうじうじしているぐらいなら、もう一回レッツラゴーしたいぐらいだか、悲しきや。この状態じゃ無理だろう。
そうだ。笑いに変えよう。
この状況を笑いに変えよう。
笑ってごまかそう。
「はっはっは、いやはやあっぱれやな。逆にね。はっはっは」
「何がおかしいのよ。もういい、私もう寝る」
なかなかうまくいかぬで候。
日々の鍛錬が足りぬのか。
しばらく実戦から遠のいていたのか。
一戦にかける情熱が足りなかったのか、足りすぎたのか。
『芯剣勝負』
鞘から剣を抜けば、そこは真剣な勝負。
命を懸けた戦いだ。手に汗が滲みでる。
隙を見せたらダメだ。
相手を観察する。
呼吸、鼓動、目の動き、体の向き、まるで一体化するかのように溶け込み、相手の出方を伺う。
決して焦って独りよがりに打ち込んではいけない。ここぞというところで勝負をかける。
ただ我武者羅に剣を振ればいいわけじゃない。
『タイミングが命』
刀身はいわば自分自身。
分身みたいなもの。
いかにうまく打ち込むか。
いろんな型がある。
見極める。
相手はいったいどうでてくる?
呼吸
魂の削りあい。もうひきかえせない。
興奮している自分がいる。
何も考えず感情のままに攻め込もうとする自分もいる。
はやるな。楽しめ。
この瞬間、この決闘を楽しめ。
目と目が合う。
静寂
互いの息遣いだげが聞こえる。
鞘に手をあてる。
『いざ、ここぞ』
鞘から抜いた剣は、勢いのまま、約20秒と持たず、3回振り抜いた事で、我が魂は放たれ、剣を鞘に納めることとなる。
『瞬足が武器』
相手は鞘から抜かれた剣を見たが、まだ自分が切られた事に、勝負はすでについている事に、あまりの早さに気づいていない。ただ私の気合の声『はっ』を一声聞いただけだ。
この『はっ』にはいろんな意味が込められている。
気合の『はっ』
驚きの『はっ』
悲しみの『はっ』
勝負の終わりをつげる『はっ』
はっはっはっは
笑うしかないね。笑おう。笑顔で帰ろう。
金も自信も失った日だったが、ネタが生まれた。
このネタでもしかしたら勇気を与えられるかもしれない。
鍛錬不足だ。
これを鍛えるには実戦あるのみ。
本気の勝負
緊張感
はやぶさの武士、流れ星のように華麗に流れる私の剣技、捉えられるのは私だけで候。
次は勝つ。