乱れ狂い花開き〜変態集団酔狂やん〜
私は『変態』かもしれない。
〆切の向こう側へと、
裸一貫、全身全霊あるがままの姿で飛び込んで行った時、そう思った。
『間に合わないかもしれない』
から
『間に合わない』
に変わった時。
絶望感と怠惰感と怒りと幸福感が襲ってきた。
怒りの感情はそりゃもうたいそうなもんで。
誰にむけての怒りなのか。
激しく真剣に悪いのは俺だけじゃないだろと、誰にも言うわけでもなく『出来なかった自分』を受け入れたくなく、必死に誰かのせいするための理由を探していた。
考えれば考えるほど、怒りが増幅して、『俺は悪くない』と正当化しようとする。
もう受け入れよ。『出来ない自分』
そうなると
次は怠惰感と絶望感が強くなる。
これが〆切の向こう側の世界か。
当初の予想では、
〆切の向こう側に行くと、危機感に襲われて普段出せない自分の真の力が開花し、なんだかんだ遅れましたけど、終わりました!!ってなるかと思っていた。
しかし、実際は
〆切の向こう側へ行くと、開花どころかもうやってられっかと、スネスネオ君になってしまい、
いざと言う時に助けてくれる万能ロボットを持ち合わせているのびのび太とは違い、権力者ジャジャイアンに媚を売り、なんとか生き延びる方法を考えている。
今この状況で、ジャイアンは誰だ?
もう自分の力で解決する事は諦め、
人の権力化の元に入り、安定を求めようと。
『〆切の向こう側』は恐ろしいところだ。
『出来ない自分』を叩きつけられ
『人間不信』になり
『自分不信』になり
『逃げ酒』で、
『狂い酒』。
淫らになり、自暴自棄になり、
それでも常にやりきれなかったものが大きなしこりとなって、苦しめる。
そして、
不意に見えた。変態集団。幸福感。
ええじゃないか、ええじゃないか
わっしょい、わっしょい、
飲め飲め、笑え笑え
ええじゃないか、ええじゃないか
今ここ。
自分の中の『変態ども』が一斉に騒ぎ始めた。
勝手にお祭りをはじめやがった。
こんな時に
いや、こんな時だからこそ
なーに、死ぬわけじゃないし
騒げるうちに騒がんかいと。
ついに狂ったか。
そんなに、人から怒られるのが怖かったのか。『なんでもできる自分』だと思っていたのか。
『なんでもできない自分』は受け入れちゃいけないものなのか。
なんと愚かな、傲慢な。
恥ずかしや恥ずかしや。
変態共が喜んでやがる。
酔狂やな〜と喜んでやがる。
なんか凄く楽しくなってきた。
私は『変態』かもしれない、否、変態だ。