GINNSEI ネタ作りING

もがくニートはニートらしく、もがいて騒いでJUST DO IT!!!常に現在進行形で新しい事に挑戦していきたING達。

ふたりでひとつ

「もしまた生まれ変わっても

                      あなたと巡り会いたい」



遡ること2ヶ月前…

同じ星の下に生まれた僕らは

ある時出会った。

「は、はじめまして(照)」

僕は人見知りということもあり

ドキドキしながらも挨拶を交わす。



「こ、こちらこそ(照)」

どうやら彼女も人見知りのようだ。

なんだか居ても立ってもいられず

クスッと笑うと、彼女も同じようにクスッと笑う。



ちょっと緊張がほぐれ、気持ちも落ち着いてきた。

「ボーダーが好きなの?」

と、僕が聞くと

「ボーダーが好きなの」

と答える彼女。



「じゃ、好きな色は?せーのっ!」



「赤!!」

僕は驚き、彼女もまた驚いた。

そしてまたお互いにクスッと笑う。

「なんか僕たち似てるね」

「そうね、面白いくらい似てるわ」



こうして彼女と出会うことのできた

「ある時」は僕の中で「特別な日」

になった。



僕はどんどん彼女に惹かれていった。彼女と過ごす時間が何事にも代え難いくらい幸せに感じた。



「あ、あのさ、これからもずっと

    君と一緒に居たいって思うんだ

    けど、どうかな?」

勇気を出して僕は彼女に告白した。



「う、うん。

           よろしくお願いします」



照れるあまりに俯くと、つられるように彼女もまた俯いた。

そしてまたお互いに笑い出す。

ああ、なんて幸せなんだろう。

神様ありがとう。



こんな日がいつまでも続くと思った。

しかしその希望は、夢は、

粉々打ち砕かれてしまった…



2ヶ月後のある時それは起こった。

僕は目の前の光景を素直に受け入れることが出来なかった。

受け入れたくなかった。



これは夢だ!夢なんだ!

悪夢よ覚めろ!覚めてくれ!

嘘だよな!?そんなわけない!



自問自答を繰り返しても繰り返しても、それは単なる現実逃避にしかならない。

悪夢ではない。これが現実なのだ。



僕の目は、込み上げてくるものに

視界を遮られながらも

なんとかその先の彼女を捉えていた。

彼女は見るも無惨な姿になっていた。



神様、あんまりじゃないか。

彼女が何をしたというんです。

代わりに僕を…うぅ…。



抑えていた感情が激流のごとく

溢れ出した。

今までの幸せな日々はもう戻らない

良い想い出としてただ保存されていくだけ。

あんまりだよ…



嘆いている僕に同情したのか

それともただ単なるお遊びなのか

神様は最後の贈り物を僕に

持ってきてくれた。



「あ、あなた…」

この声は!?

なんと、彼女が目を覚ました。

グシャグシャな顔で彼女を見つめると、クスッと笑う。

ただその笑顔には、いつもの力強さは感じられなかった。



「なにをそんなに泣いてるの。

お気に入りのボーダーがかわいそうよ。

いい?

出会いがあれば別れが来るのは当然よ。だから悲しまないで。

あなたなら大丈夫だから。」



僕はうん、うん、と頷いた。

拭っても拭っても涙は止まらない。



「最期にこれだけ言わせてね。

今までとても幸せでした。

もしまた生まれ変わったら

                     あなたと巡り会いたい」



そう言って彼女は微笑みながら

目を閉じた。



僕の方こそありがとう。

本当に本当に幸せだった。

生まれ変わっても巡り会おう。

来世でも、またその次でも。

ずっとずっと…



神様、最期にありがとう。

でも一つだけお願いがあります。

彼女がこれから歩く道で

迷ってしまわないように、僕が

道しるべになりたいのです。



神様は快く受け入れ願いを

叶えてくれた。

 僕は彼女の道しるべとなり、側で

ずっと彼女を見守ることが出来た。



こうして僕の「特別な日」

から始まった「特別な日々」は

終わった。





ここまで読んでいただきありがとうございました。

あとがきですが、この物語の題材は僕が履いていた「靴下」です笑

購入から履き潰して捨てるまでを

自らが靴下になったつもりで

物語のように書いてみましたが

つい、長くなってしまいました笑



毎日、誰よりも僕の足の臭いを嗅いでくれている靴下よ

「ありがとう」