帽子被りたがり亀クンの話
彼は小さい時からみんなと違う行動をとりたがった。
みんなが左に行けば右、右に行けば左に行くという風に。
その為いつも孤立していた。
でもそれにはちゃんとした理由があってのこと。
生まれながらにして好奇心旺盛な彼は気になるものがあるとすぐにそっちに行ってしまう。
だから、みんなと逆を行くということはみんなが行く方とは逆の方に、いつも興味を惹かれるものがあるという事なのだ。
そんなある時の事、
彼は可愛い帽子を見つけた。
しかも彼の好きな色合いと模様を使ったこれだ!っていう一品。
すぐに気に入り、とても嬉しそうに被る。
あーあ、昨日まではタートルネックの服が欲しいと言っていたのに…
とてもテンション高く、ルンルン♩
四六時中どんな時でも被ったまま。
そんな彼に対してみんながいつもの視線を投げかける。
(またコイツは訳分からんことしちょるな。ぷぷ)
(タートルネックじゃないんかい!)
(ダメ!近づいちゃ!バカが移るわよ!)
周りの反応を1番に察したのは彼の両親。帰ってきた彼をすぐさま呼びだした。
母「あんた!いい加減にしなさい!
いい歳にもなって。しかも先週までタートルネックって言ってたじゃない。あっちの方がお似合いよ!」
父「母さん、問題はそこじゃないだろぉ…おい!いい加減目を覚ませ!
周りの反応が気にならないのかお前は。オレたち、亀がタートルネックや帽子を被って何の意味があるんだ!ん?オシャレか?そんなものに
頭を使うよりもっとマシなことに使え!」
彼の頭の中にこだまのように響く。
『何の意味があるんだ!』
『なんのいみがあるんだ!』
『ナンノイミガアルンダ!』
・
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・
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カッチーーーンコ
「意味なんて無いよ!
ただね、この世の中に意味の無いも
のも無いんだよ!!」
今までの貯めるに溜め込んだ
元気ん玉が炸裂した瞬間だった。
玉を顔面に浴びせられ何も言えなくなっている両親を尻の割れ目に、彼もまた何も言わずに家を出て行くのであった…
こんにちは^ ^
今までとはちょっと違うハードな
ストーリーを書かせていただきました。その点に関してまずはすみませんでした笑
あと内容なんですけれども、
彼の言う通りかなと。
【意味は無い。されど、
意味の無いものなど無い。】
帽子を被ることに大した意味はなく、ただ『被りたい』だけなんですね。
でもその『〜したい』が大事なのかなと。
だってそれだけで十分立派な理由じゃないでしょうか。
意味なんて考える必要ない。
[いい加減=良い、加減]
それを亀クンは教えてくれました^ ^
ただ、やっぱ被ったままも良くないですね。笑
ちゃんと脱いで洗わないとフケが溜まりますから。
ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました。