【僕誰、こかん太郎】焦がし醤油はお好みで
「ふぅー。」
池袋行きの電車の中で、サタデーナイトに心躍らせる人達を尻目に、真逆の感情と服装で会社に好きなように踊らされているマリオネット的好都合ロボットな僕。
僕の名前は、きすけ。
自己紹介で名字をガン無視する人を
見たことがあるだろうか。
そんなことはどうでもいい。
周りからは「工場長」と呼ばれている。
何故かは1度見たことがある人になら分かるはず。
私服化した作業服を身にまとい、今やスマホと並ぶほどの常備力を誇るヘルメットと軍手とカッター。
そう、仕事柄でこんなカスタマイズ
になってしまったのである。
そんな生活を始めてから早1年半。
いろんな現場に携わってきた。
某有名テーマパークにファーストフード店。
駅やビルに、中には裁判所も。
そういう意味ではちょっとした社会貢献をしてきたのだけれども…
なんだろう…
心が満たされていない。
生きてるぅー!!ってゾクゾク感が
感じられない。
無理もない。周りのパイセンは高確率でハゲてるか歯がない。
必死に働いて社会に貢献しているのにその報酬がコレ…か。
「ふぅー。」
溜め息選手権 In 山手線のチャンピオンは僕で決まりかな。
小次郎は何してるかな。
あのスーパーキラキラした眼で繰り出される映画評論が好きだったな…
漱石はどうかな。
人間モルモットから生還したMr.社会貢献におかえり一気させないとな。
元気かな。
「ふぅー。」